店舗を構えているのは、木造の古い擬洋風建築。この場所なら和洋隔てなく新旧も越えて好きなモノを紹介できるだろうと、やっております。

ですが、流石に古いゆえ環境の変化や気象に耐えられず、傷みがでてしまう状況が多々起こります。

そんな気象の影響により、破損してベニヤ仮補修のままだった踊り場吹き抜けの高窓をようやく修繕できました。
二階から落ちる陽射しは以前より増して、道具や花の見え方が幾らか明るくなったようです。


窓に嵌めたのは、新材のアクリル製。
歪みもあるので遠くから見ると昔のゆらめく硝子と錯覚するほどでした。

昭和初期の木枠窓の中へ巧く納めていただきました。
所々に傷みが出てきていますが、この建物の外観や内観の気配も損なわず、守りながら手直しして続けていきたいと思います。




コファーの上に乗せた十八世紀の白釉鉢。
冬に合う大きな雪の結晶のような器。ほぼ無傷で残ってくれたことに感謝です。



白釉八角鉢 フランス18世紀 30~32cm径 11cm高
売約済み



暖冬で梅も早咲き、風邪は治りづらいとも聞きました。春は待ち遠どおしいですが、季節は巡ってほしいものです。
民窯の李朝。よろめいた口辺へ白梅が上手く生きてくれました。


李朝白磁壺 李朝後期頃 w9.8cm h14.3cm
木彫怪獣図パネル フランス15世紀頃






1566年刊行 フランスの古書

宗教を軸とした国家の歴史が厚く綴られています。




背の花布(はなぎれ)は、出し入れする際に爪の当たりやすい部分でもある箇所を保護したもの。
淡い二色の糸を編み込んで丈夫に仕上げ、今はもう色あせていますが華やかな装飾性も意識した、つくり手の心にしみじみしました。




綴じ方や糊もこの時代の本は強固で、修復されながら今日まで長く残されています。
本の修復家は何処をどう直したか、書き記したそうですが、表紙の獣皮紙もくたびれながら丁寧な製本に内部は守られています。




貴重な書物の読み継がれた歴史が形となって現れていることに、静かに感動しました。
古い糸、紙、獣皮紙があわされば、これも工芸品とも呼びたくなります。


見過ごしていたことを親切に教えてくれた
製本家の友人に感謝しています。


フランスの古書 1566年刊






1/10(金)は平安蚤の市へ出店いたします。

出品する宮古島の土器です。
沖縄らしい茜色の肌に新春をみていました。
近世の作りであっても古代の匂いを残した琉球の土器が好きです。

この土器の特徴である波状文の下に、S字に走った彫り。
おそらく窯印ではなさそうですが、偶然にしては力強くて文様的。



勢いある線が清々しくて、定形の波状文に抗うような陶工のメッセージでもあったのかと深読みするほどに。


暖気のおかげで、1月にしては暖かい一日になるのではと思います。
出店場所は前回とほぼ同じ、参道沿いを神宮に向かって右側中央あたり(A-15)です。
是非お出掛けください。お待ちしております。


宮古式土器壺 28cm高 19cm径








ピグミー族のタパ。
樹皮繊維を叩いて貼り合わせて作られた裂です。

昨年の開催された展示、坂田さんの選んだ94枚も記憶に新しいタパ。腰巻きのようにも用いたそうですが、それ以外にも宗教や社会的機能も含めた、あらゆる生活の場面で使われたそうです。




そんなピグミーの人々は音楽も素晴らしく、ミニマムな五音音階は日本古来の童謡と重なったり、太古の記憶や胎内にいた時を呼び覚ますような懐かしい、ふしぎな感情へと誘われます。



タパの柄はいろいろですが、奇しくも今回の模様は五線譜のよう。
おそらく意図せずに濃淡の出た手描き具合も面白く、彼らの音楽の表れにも見えてきました。




そして、真の魅力は文様だけではありません。
手触り、肉厚な繊維のつらなりにもあると思います。
それはまるでパーチメントや獣皮紙のごとく、まだ生き生きと豊かな表情です。


ピグミー族のタパ
85cm×40cm







2020年は1/4(土)より営業いたします。
本年もよろしくお願い申し上げます。

故郷伊予でのお正月でした。暮れの静まる郷でみつけた白の古砥部。
初期の砥部磁器は絵付け師も不足しており無地も多かったようです。
有田ほど精緻な磁器ではないものの、厚手で温もりある膚合いは土物も思わせます。



砥部の白さは、瀬戸内の気候や讃岐うどんがしっくりと馴染み、僕にとっていつも懐かしいような気分にさせてくれる焼きものです。


砥部焼白磁筒形湯呑 江戸後期w7cm h7.4cm
売約済み








白南天がツリーの代わりでした。

花をいけた籠はフランスの葡萄を収穫する際の背負い籠。
曲げ木を用いて、樹皮を編み込んだもので、これが葡萄で一杯になれば相当な重量となるはずの大きさです。大変な重労働に違いありません。



摘果のために考えられた優れた造形。
補修跡もいっぱいありますが、まだまだ現役でいけそうな感じもします。



年内の営業日は本日まで。
新年は1/4(土)より開始いたします。



葡萄収穫用背負い籠 フランス1900年前後
高60cm 幅50cm
売約済みとなりました。ありがとうございます。









くりくりの眼が可愛くもほのかな哀愁漂う、原田治さんタッチの欧州菓子木型。




あのドーナツも恋しくなる、楽器を構えたミュージシャンズ。

向こうのスペキュロス菓子屋のカウンター奥には代々受け継がれているだろう菓子型が大切に飾られています。
聖ニコラオは置いておいて…全員音楽家というのもちょっと珍しいもの。



彼らのバンドは8人編成。
今宵は赤い鳥も顔負けの美しいコーラスワークを響かせる聖歌隊へ。
バンマスは勿論サンタクロース。


スペキュロス菓子型 ベルギー19世紀 43.5cm長 11.5cm横 2.2cm厚









もうすぐクリスマス。飾り文字の耐火皿にどんと肉料理なども楽しいでしょう。






丁寧に描かれた文字と波状文は、自然で好感がもてました。小振りの使い易いサイズ、上りや状態も良いです。



欧文スリップウェア角皿 英国19世紀 28cm×22cm×4.5cm








胡桃材の大きな木皿。田舎パンをどっさり乗せて温かいスープと。冬の食卓が浮かびます。

フランスで出合いましたが、パキスタン北部の工芸品とのこと。



たしかに削りや形造りもヨーロッパ諸国の木皿と異質で、広大で渇いた大陸的な気配。
かつて文明が栄えた地は地理的にも世界と繋がる中心部だったそうです。

盆に器に、家庭で色々と。およそ万能に働いてきた様子に石皿のような親しみを憶えます。


パキスタン木皿 1900年前後 37cm径
売約済み








犬山焼四方徳利と阿蘭陀赤絵楼閣図小皿

これから酒席も増える時期、宴で気負わず使って楽しみたい犬山の無地徳利です。




犬山といえば赤絵が有名ですが、無地のものは珍しくて初めて見たような気がします。




絵付けをしなかったのは、名産の忍冬酒のラベルなどを上から貼って出荷用とした瓶なのかもしれません。古新聞に包まれて、数本まとめて出てきました。






聖夜色の小皿はオランダより。
描かれなかった犬山赤絵の代わりのように、ソッと隣に。



高台に欠けあり


催事のお知らせで洋の単体での紹介がつづいていましたが、久しぶりの和洋の取り合わせ、やっぱり面白いなと思います。

共に年末年始に合いそうです。



犬山焼無地四方徳利 明治~大正 14.7cm高 容量 一合半
犬山印あり
阿蘭陀赤絵楼閣図小皿 オランダ19世紀12.2cm径









先週のa&b目白には沢山のご来場いただき誠にありがとうございました。

今回は小企画を設けて、その為に案内冊子を作成したり、企画に準じた内容で品数も少量でしたが反響をいただけて、嬉しくホッとしています。

寒い冬の日に、本当にありがとうございました。

明日からまた通常営業です。(木金休み)
年内は12/25(水)まで。
年始は1/4(土)より開店いたします。

写真は床か暖炉用の中世末頃と思しきレリーフタイル。
冊子に載せていましたが未紹介のものです。
初期の百合文。華麗清純のイメージですが、中心からのずれと暖かな色合いに親しみを感じます。



フランス百合紋章図タイル






“ものがたりの西洋工芸”

オランダの煙草匣なのですが、間と伸びのある蔓唐草は仏教と日本の香り。御正体をかさねたり。よくみれば凄く細かい。
小さな工芸品にも祈りが交わり神が寄り、それが工芸品だったのだとも思います。


線刻蔓唐草煙草匣 オランダ18世紀
w12.2cm






“ものがたりの西洋工芸”


普段は自信に溢れている人もがっくり落ち込むことはきっと誰にでも。
僕はセンスが無いかもしれない。

そんな悄然とした気分になったのは、同じ場所に居て同じ物を見ていたのに、そこから妻が美しいものを見つけ出した時。




この左手の油彩画は、フランスのとある骨董屋の壁に掛かっていたのを一度眺めて通り過ぎたもの。
後から入店してきた妻が、壁の前で立ち止まって綺麗だという。僕も再び絵の前へ。ああ、ホントだ、、なんて良い絵だろう。
頭のカチカチな僕は、貧相な経験と乏しい知識にすがって見過ごしていました。



左手で胡桃のような食べ物にふれる、生々しく量感あるしなやかな指。
時代の上がる油彩画は高嶺の花。せめて断片だけでもと良質な部分を受け継いで、額装した骨董商のセンスに頭が下がります。

しかし、まだ頭の中に存在しない、知らない、美しいものを探す(出会い)とは何と困難で幸福だろうと、同時に思う。僕らは絵描きや作家でもないけど、見つけ出すことは頭で物を創造することのよう。

今回の「ものがたりの西洋工芸」では、妻の選んできた物も多く出品します。デザイナーでもある妻は良き理解者でありライバル。
二人で店を営み、物を選んで並べていますが、、あなたが、オッと関心したものはさてどちらが選んだものでしょう。精進します。


左手油彩画断片 フランス 17-18世紀頃
20.5cm(額)



“ものがたりの西洋工芸”

於 gallery FUURO
antique & brocante 目白

2019年
12月7日(土) 12:00-19:00
12月8日(日) 10:00-17:00
東京都豊島区目白3-13-5








“ものがたりの西洋工芸”

この催事へ約束のように毎回連れていくようになった冬らしい菓子の木型。スペキュラースは聖ニコラオの日に食すクリスマス菓子なので、開催日はまさにその頃です。



菓子を贈られた子どもたち。
ミトンやどんぐりに草花の形、小さなクッキーをもらって歓喜して躍り上がったことでしょう。
古い菓子型にはサンタクロースの物語があり、飾りではなかった実用品ゆえの確かな味わいを秘めます。



年に一度の楽しみが込められた文化に根付く菓子道具。
この素朴なあかるさを伝えたくて、この先も、特に冬が来る頃には、紹介できればと願う西洋工芸品です。


スペキュロス菓子型 ベルギー又はオランダ19世紀頃
50.5cm長さ


“ものがたりの西洋工芸”

於 gallery FUURO
antique & brocante 目白

2019年
12月7日(土) 12:00-19:00
12月8日(日) 10:00-17:00
東京都豊島区目白3-13-5







“ものがたりの西洋工芸”

通称パネクック(オランダの伝統的なパンケーキ)皿と呼ばれたりするデルフトの色絵大皿。

デルフト陶には巧妙な共色直しが時折隠されており、この大皿にもそんな予感がよぎりつつも、、結果はほぼ無傷で驚き、嬉しいものでした。
豊穣の松毬に、太湖石に竹や花。東洋のイメージをふんだんに描いた西欧独自の焼き物。



しかし、この苔色はどこか石庭や抹茶のような色合い。日本人なのに阿蘭陀のうつわを見て懐かしくさせられる、こちらの心にせまる、落ちつく色を出しています。


デルフト色絵大皿 35.5cm 1690-1740年頃


“ものがたりの西洋工芸”

於 gallery FUURO
antique & brocante 目白

2019年
12月7日(土) 12:00-19:00
12月8日(日) 10:00-17:00
東京都豊島区目白3-13-5







“ものがたりの西洋工芸”

ボジョレーの解禁日。奇しくも宇宙と作物の関係性の農事暦によれば、ちょうど今夜は美味しいワインの実が開く日。このボトルをデカンタに、一杯愉しみたいところ。


シノワズリの影響と思しき、菊花と格子の文様。意図せずに垂れてしまった釉や、縁の剥がれも良く解釈してしまえば古染などを彷彿とさせます。コバルトと比較すると、数も少ない色絵の面取徳利。容量も一合半の程よさ。

この多葉形の淡い色絵のモデルはデルフト、フランスでは北西部ルーアン、北はリールでも作られた文様と聞きます。

定かな産地はひとまず置いておいて、失敗作とも言えそうな、今にもめくれそうな釉薬とくすんだ赤の色は、どうにも心に残りました。そしてクリスマスの色でもあります、お正月まで楽しめそうです。


阿蘭陀色絵八角徳利 18世紀頃
h18cm 300ml








“ものがたりの西洋工芸”


千花模様の中からひょこっと顔をのぞかせるライオン。もはや狩りのことも忘れてしまったかのような優しげな表情で。

羊毛と絹で織られた、フランドル地方或いはフランス中部地方のオービュッソン産と思われるタピスリーです。
かつては数メートルある織物だったはずですが、繋ぎ合わせたり修繕されながら、断片として残されたもの。断片とはいえ幅は70cmほど、壁に飾っても十分な見応えの作品です。

植物形態に基づいて、中世の頃から派生するタピスリーにおける千花模様のデザイン。そんな植物と動物を中心に描いたタピスリーは、いつか紹介できればと願っていました。部分ですが、不自然さは無く良い絵図です。

緑の中でうっとりしたようなライオン。遠くの美しいものを眺めているでしょうか。


獅子図タピスリー断片 17世紀 フランドル地方
w67.5cm h51cm







“ものがたりの西洋工芸”

色鮮やかな草花装飾に、厚めに樹脂で張られた金箔。文字と装飾の特徴よりルーアン産の時祷書と考えられています。



特殊な祈りの手書き写本、中世のベストセラーであった時祷書。裕福な家では嫁入り道具にも持たせたと聞きます。

その深い青色はアフガニスタンでのみ取れたとされる、ラピスラズリを原料とした、まさに祈りの本にふさわしい静かな青い色。



時祷書の装飾はあらゆるものがありますが、特にこの唐草からは日本の仏教美術にも共通した、祈りの静けさを感じました。


時祷書 フランス(ルーアン)1470年頃
8.1cm × 10cm








本日よりコンテナ船で届いた品物を、店に並べています。器や道具は箱を開けつつ随時、家具は補修を終えたものから出します。
11月は通常どおり木金休みの営業、明日もまたご来店お待ちしております。






こちらは王冠の形をした鉄製吊り下げ器。
鶏や兎にソーセージ、調理具なども引っかけたヨーロッパの台所道具です。
17-18世紀オランダ風俗画にも描かれており、古くから家事の傍らで親しまれた民具のようです。


「台所にて」 ウィレム・ヨーセフ・ラキー 1760-1761年


夜に浮かぶ姿は天球儀。
かつては蝋燭の灯りのもと、落とした影を見つめては何かを思い描いたりしたでしょうか。


鉄製吊り下げ具 フランス18-19世紀







hondakeiichiro

Author:hondakeiichiro
「本田」
〒500-8068 岐阜市上太田町1-7
醸造会館1F
T+F 058-264-2980
OPEN 11:00-18:00
CLOSED on Thursday , Friday




WEB SITE|
hondakeiichiro.com



9月の休業日|







企画展 |




お問い合わせ|
keiichirouhonda@gmail.com