オランダ産のマジョリカ陶器。

南欧から伝わり、その地の伝統や明るさを持ちながらネーデルラント地方の寒い冬の色も僅かに混在する器。

二つの風土の特性が自然と出た意匠には、妙に安心を得てしまうのです。




昨年の春に出掛けたイタリア。
本場のマジョリカ陶器を、中世のものから現代作品の工房まで観て触れることが出来た。
この春も、イタリアやオランダへ普段どおりに行けるとばかり思っていた。


あの歴史ある国へ、世界の人々がまた多く訪れられるようになることを、心の底から願う。

薄紫の花の欠片を夕暮れの和室へ。


ダッチマジョリカ陶片 17世紀前半 15cm径 2.2cm高
売約済み









灰釉がほぼ剥げ落ちて、まろやかな膚と形のよく出た段皿。




そのおかげではっきりした轆轤目や指の痕跡が景色とみれて楽しい。
平安のビスケット膚。
茶菓子を乗せてどうぞ一服。




(現状で使用出来ないことはありませんが、素焼に近い軟らかい状況と、ニュウ,縁に欠損もあり参考品としてお考えください。)


白瓷灰釉段皿 平安時代 11.4cm高 2cm






工芸青花十三号が刊行されました。
精華抄にて中世刺繍画をご紹介いただいています。

さて、その頁の文中に登場するシェル・シルヴァスタイン。

シルヴァスタインといえば、「ぼくを探しに」は、子どもの頃に図書館で何気なく読んでいた絵本。

the missing piece。
いつも足りないものだらけ。
どうやらぼくも間違ったカケラをはめていて、歌うことも忘れて転がっているところを佐藤さんに諭されて、これからもう一度、昔作ったヘタな歌でも思い出して歌いつつ転がれそうかという心持ちに。
ランランラン、初源QCを考えながら。









色調のやさしい手紡ぎ糸を織り重ねた古の木綿,丹波布。
経緯糸ともに失われつつも、まだ形を留めてくれています。



和洋を問わず器物を包むのに、丹波布は重宝するので端切でも使えそうと思いましたが、暫く、このまま掛けて観ることにしました。


茶地縞丹波布 168cm長 明治









白珉平五寸皿

彩画のない無地白珉平焼。
黄色や緑で同形を見たことがありますが、白の無地平皿は今回はじめて扱います。
 




軟らかな土質と薄造りで、明治期に輸出が始まる以前の江戸期の珉平焼でしょうか。古い珉平のうつわを重ねたときの、その特有の軽やかな音が好ましいです。




嬉しいことに五枚組で残ってくれたので、今のところはこのまま離れさせずにお売りできればと思っています。
貫入と染みのつくった景色は言うまでもなくですが、五枚そろって浮かぶ一つの景色もありそうです。


売約済み








緑釉が薄っすらと掛けられたやきもの、呂宋(ルス)織部。

古くから緑色陶器は人々に好まれたもの。
江戸後期の瀬戸で生まれたルス織部も、そのような意識を基に瀬戸の高度な技術で生まれた当時のヒット製品だったようです。



歌麿の浮世絵の中に描かれていたり、ハイカラな「ルス」という響きの色鮮やかな焼き物を江戸の人たちはどの様に感じたのか。
斬新な印花や貼り付けの施文もニューウェーブだったはず。



輪花に線刻に印花瓔珞と、、盛りだくさんの装飾には磁器づくりへと移行する前の瀬戸の新製品陶器への試みや想いが見てとれるようで、グッときます。

緑の色が深く濃くでた織部色と、今回の皿のように淡く薄い若草色もありますが、僕は若草のウスアジ派です。筍の焼いたのとか、これからの器に。  



呂宋織部輪花皿 22cm 江戸後期-江戸末









琉球の古陶、荒焼と呼ばれる焼き締め陶器の壺です。おそらく壺屋焼の南ぬ窯などの那覇周辺で作られたものかと思います。 

このように比較的に小ぶりな甕は、お祝いや贈り物用の酒甕として用いることもあったそうです。耳付きの甕が多い中、耳もなくコロンとゆがんで丸みある姿には古格と愛嬌を覚えました。



近頃、琉球のやきものに触れる機会が不思議と多く、沖縄の独特な風土が産んだしなやかながら力強い工芸に惹きつけられつつあります。


古壺屋荒焼酒甕 30cm高
売約済み







敷き詰めた折れ松葉が、中心を菊の花へと結んでいます。

冬の庭を霜から保護する、“敷き松葉”を幾何学的に文様化したのでしょうか。
きれいに割れてしまったものですが、風情ある模様に心をひかれました。



古伊万里敷松葉文皿 19cm径 元禄頃
売約済み







瀬戸周辺の台付鉢

見込みは灰釉がやや白濁した色合いですが全体は青磁を狙った御深井釉寄り,銅器を模した形は、寺院の儒祭の祭器である脚付盤を連想させました。




側部には鎬が施された丁寧な造り、食器では無く小ぶりな什器だったのでしょうか。

幕末になり、御深井前期の祭器を写した部類なのか果たして判りかねますが、見慣れた土味の見慣れない器形から想像する余白は思ったより大きく、楽しく思います。


鎬文台付鉢 江戸後期頃 20.5cm径 6.5cm高








立春

目を凝らすと顔があるような気がしてきた蝶と、窯割れも茎と化す草花。


初期伊万里陶片 蝶々と花
ともに売約済み







甘手でニュウも染みもありますが、膚合いと鋭い十角という形に惹かれて繕いを施しました。

古九谷手から移行する頃の柿右衛門様式辺りの造りでしょうか。口錆の黒い発色も好みです。







白磁十角皿 1700年前後頃 w12.5cm h3.5cm








満開の蝋梅

芳香は名越惜しそうに温い店内に立ち籠めています。
スペインの青、内側の黄釉と共鳴しました。

2月もほぼ木金定休で開店予定ですが、改めて月末に営業日をwebサイトにてお知らせします。今週末の土日2/1,2は通常営業です。


マヨリカ藍色アルバレロ カタルーニャ16-17世紀









冷たい雨、夜には雪となるでしょうか。

しんしんと雪の降る空、雪の結晶やつぶてを文様化したような楽しげなマヨリカ陶器。
古伊万里等にある染付の雪輪文が重なりました。手描きの窯印に造りの良い高台、状態は良く長いこと壁に掛けられていたようです。

イタリアのトスカーナの田舎町で見つけたもので、その日は真夏のような暑さ。この結晶文皿との出逢いにひとときの涼を得た憶いがあります。



マヨリカ藍絵幾何文皿 18世紀末頃 17.5cm







店舗を構えているのは、木造の古い擬洋風建築。この場所なら和洋隔てなく新旧も越えて好きなモノを紹介できるだろうと、やっております。

ですが、流石に古いゆえ環境の変化や気象に耐えられず、傷みがでてしまう状況が多々起こります。

そんな気象の影響により、破損してベニヤ仮補修のままだった踊り場吹き抜けの高窓をようやく修繕できました。
二階から落ちる陽射しは以前より増して、道具や花の見え方が幾らか明るくなったようです。


窓に嵌めたのは、新材のアクリル製。
歪みもあるので遠くから見ると昔のゆらめく硝子と錯覚するほどでした。

昭和初期の木枠窓の中へ巧く納めていただきました。
所々に傷みが出てきていますが、この建物の外観や内観の気配も損なわず、守りながら手直しして続けていきたいと思います。




コファーの上に乗せた十八世紀の白釉鉢。
冬に合う大きな雪の結晶のような器。ほぼ無傷で残ってくれたことに感謝です。



白釉八角鉢 フランス18世紀 30~32cm径 11cm高
売約済み



暖冬で梅も早咲き、風邪は治りづらいとも聞きました。春は待ち遠どおしいですが、季節は巡ってほしいものです。
民窯の李朝。よろめいた口辺へ白梅が上手く生きてくれました。


李朝白磁壺 李朝後期頃 w9.8cm h14.3cm
木彫怪獣図パネル フランス15世紀頃






1566年刊行 フランスの古書

宗教を軸とした国家の歴史が厚く綴られています。




背の花布(はなぎれ)は、出し入れする際に爪の当たりやすい部分でもある箇所を保護したもの。
淡い二色の糸を編み込んで丈夫に仕上げ、今はもう色あせていますが華やかな装飾性も意識した、つくり手の心にしみじみしました。




綴じ方や糊もこの時代の本は強固で、修復されながら今日まで長く残されています。
本の修復家は何処をどう直したか、書き記したそうですが、表紙の獣皮紙もくたびれながら丁寧な製本に内部は守られています。




貴重な書物の読み継がれた歴史が形となって現れていることに、静かに感動しました。
古い糸、紙、獣皮紙があわされば、これも工芸品とも呼びたくなります。


見過ごしていたことを親切に教えてくれた
製本家の友人に感謝しています。


フランスの古書 1566年刊






1/10(金)は平安蚤の市へ出店いたします。

出品する宮古島の土器です。
沖縄らしい茜色の肌に新春をみていました。
近世の作りであっても古代の匂いを残した琉球の土器が好きです。

この土器の特徴である波状文の下に、S字に走った彫り。
おそらく窯印ではなさそうですが、偶然にしては力強くて文様的。



勢いある線が清々しくて、定形の波状文に抗うような陶工のメッセージでもあったのかと深読みするほどに。


暖気のおかげで、1月にしては暖かい一日になるのではと思います。
出店場所は前回とほぼ同じ、参道沿いを神宮に向かって右側中央あたり(A-15)です。
是非お出掛けください。お待ちしております。


宮古式土器壺 28cm高 19cm径








ピグミー族のタパ。
樹皮繊維を叩いて貼り合わせて作られた裂です。

昨年の開催された展示、坂田さんの選んだ94枚も記憶に新しいタパ。腰巻きのようにも用いたそうですが、それ以外にも宗教や社会的機能も含めた、あらゆる生活の場面で使われたそうです。




そんなピグミーの人々は音楽も素晴らしく、ミニマムな五音音階は日本古来の童謡と重なったり、太古の記憶や胎内にいた時を呼び覚ますような懐かしい、ふしぎな感情へと誘われます。



タパの柄はいろいろですが、奇しくも今回の模様は五線譜のよう。
おそらく意図せずに濃淡の出た手描き具合も面白く、彼らの音楽の表れにも見えてきました。




そして、真の魅力は文様だけではありません。
手触り、肉厚な繊維のつらなりにもあると思います。
それはまるでパーチメントや獣皮紙のごとく、まだ生き生きと豊かな表情です。


ピグミー族のタパ
85cm×40cm







2020年は1/4(土)より営業いたします。
本年もよろしくお願い申し上げます。

故郷伊予でのお正月でした。暮れの静まる郷でみつけた白の古砥部。
初期の砥部磁器は絵付け師も不足しており無地も多かったようです。
有田ほど精緻な磁器ではないものの、厚手で温もりある膚合いは土物も思わせます。



砥部の白さは、瀬戸内の気候や讃岐うどんがしっくりと馴染み、僕にとっていつも懐かしいような気分にさせてくれる焼きものです。


砥部焼白磁筒形湯呑 江戸後期w7cm h7.4cm
売約済み








白南天がツリーの代わりでした。

花をいけた籠はフランスの葡萄を収穫する際の背負い籠。
曲げ木を用いて、樹皮を編み込んだもので、これが葡萄で一杯になれば相当な重量となるはずの大きさです。大変な重労働に違いありません。



摘果のために考えられた優れた造形。
補修跡もいっぱいありますが、まだまだ現役でいけそうな感じもします。



年内の営業日は本日まで。
新年は1/4(土)より開始いたします。



葡萄収穫用背負い籠 フランス1900年前後
高60cm 幅50cm
売約済みとなりました。ありがとうございます。







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