麦藁手片口。おそらく元々は入れ子となる五客揃いほどで、その二番目くらいに小さいほうの片口と思います。




呉須と鉄絵は良い感じに、朱色の赤楽釉は火加減の具合か、にじんでぼやけています。繕いもあり使い込みも激しいのですが、ぼんやり流れた朱と傷は、自分には丁度あっている気がしました。






こちらも目白コレクションへ持っていきます。

最後にお知らせですが、明日の21日木曜祝日は営業いたします。祝日は開けても静かなのですが、明日はどうでしょう、お待ちしております。



麦藁手片口 江戸後期-末期
13cm径 7.5cm高
目白コレクション出品









文様の意味合いを忘れさせるような、はやくてよどみのない筆使い。

軽くのびのびして崩した抽象的な絵が、何の絵かを認識するのに少し時間がかかりました。




描いているのは、吉祥の象徴とされる松が三層となった三階松ですが、その絵の内容が何であれど、静かな書や宗教的な文字でも眺めているような気分になる素晴らしい文様です。

目白コレクションへ出品します。


絵瀬戸松文皿 江戸後期 21.3cm径
目白コレクション出品









今月号の「目の眼」に掲載していただきました。
4月号はオールドグラス特集とのことで、当店も欧州の古ガラスを中心にご紹介しています。

そんなことで、酒器にも代わりそうなガラス二種の紹介をします。


薄緑色水差し フランス18世紀
キャンドル用グラス 19世紀


薄緑の水差しは元々オイル等を容れたフランスのもので、中世の典礼用金属器のような面白いフォルムを楽しみつつも実用できます。

隣のキャンドル用グラスは、何かと普段使いのグラスとしては、最適かなと思います。








呉須で唐草を描いた御深井釉長皿。
すらりとした漂う線は、文句のない、美しい文様です。



御深井釉唐草文長角皿 江戸前期 17世紀
19cm幅 8.5cm縦
目白コレクション出品










2019年、春の目白コレクションまであと3週間ほどとなりました。
これから、開催までブログとウェブサイトでも少し出品予定の品物を紹介をします。


オランダのマジョリカ陶器、ハーレムという都市で制作されたダッチ・マジョリカの陶片です。
にぎやかに生き生き、果実と柏葉が描かれています。

果実はおそらく石榴であり、当時は高級品で希少な果物。
貴族階級の食生活を表した絵皿のようです。



淡い色合いに品があり、総柄ながら静かにおちついている気がします。
こんな色彩感覚と自由な線、かけらであれどワクワクしてインスピレーションが湧いてきます。

目白コレクションへお持ちします。


色絵果実文陶片 オランダ1600~1640年
19cm 最大幅
目白コレクション出品








須恵器と阿蘭陀掛分タイル

掛け分けの意匠のタイルは、壁に張る際に4枚で1つの正方形を作り、数が集まって市松文様となります。
タイルで有名なオランダを中心に、様々な色があると思いますが、このような色味の緑釉と白釉の掛け分けは初めて扱います。

淡いみどりは春らしく、桜餅を乗せたりと和にも合いそうです。


須恵器 16cm高 7.5cm口径



阿蘭陀掛分タイル 18~19世紀 11cm径 売約済み









髪をとく櫛と同形のこちらは、西欧産の馬用で、鍛冶屋が仕上げた鉄鋼の硬く、ずっしりとした櫛です。
馬たちの尻尾やたてがみの毛を梳いて、汚れを取り除き、血行をよくしたり艶をだして整えたものと聞きます。
飾りや色もなく地味なのですが、磨耗した鉄肌と経年の微妙な線のゆらぎは、柔らかく親しみを覚えます。


鉄製馬用櫛 19世紀フランス 10.5cm横 6.8cm縦
獅子図デルフトタイル 17世紀
共に売約済み









フランスの木製砥石入れ

花器への見立てにも用いられる素朴な木の道具です。かつては腰にさげて、実際に刃物を研ぐのに使われてきました。




好きでこれまでも扱ってきた砥石入れですが、今回はその当時の様子が伝わる、使い込まれてすべすべになった砥石と一緒に見つけることができました。



おそらくハンドルは入れ物と同素材のオリジナルで、砥石は交換したのか釘と針金で強く固定されています。
本体は薄い金属板を貼り付けた修復で、虫喰いや艶の出た木との重なりは味わいとなっています。

観て飾り、見立ても楽しみたいですが、この砥石付きで残った砥石入れは、暮らしの有り様が浮かぶような状態であり、ひとつの歴史資料としての庶民の道具、工芸品の見方もできる興味深いものと思えます。


面取砥石入れと砥石 フランス18-19世紀
39cm長
売約済み








昔の鎹なおしで修繕された白釉皿。

鎹の間隔や幅も自由でラフに打ち込まれ、一箇所は失敗して表側まで到達してしまいながら… 自然とおさまり受け入れているのは、ここの焼物の国柄と思えてきます。そして、この直しであれど堅牢に、今も留まっている状態です。



なぜか通常の白釉系統の皿よりひと回り小さい、連続模様の美しい皿です。


藍絵草花文皿 フランス18世紀
19.5cm径 2.7cm高








昨日の猫の日に合わせて、店頭に並べた猫型水滴。
猫の日が来るのをじっと待ち構えていて、長らく我が家で一緒に過ごしました。



仕草も顔つきもまさしく猫で、凛々しい太眉には愛嬌ありです。
香箱座り風ですが、正式には手を出しているので、横座りでしょうか。

平安時代の絵巻には既に首輪を付けた猫が描かれているそうですが、この子も大きな鈴付きの首輪をしています。
縁側の陽だまりで、いつまでも庭を見つめていそうな、日本の猫という感じがします。



水もきれいに注ぎ出て、水滴としてもまだまだ働けます。



陶製猫水滴 益子焼あたり 大正明治頃 6cm幅 5.1cm高








水ぬるみ、春の雨が降り出して、雨水は内側まで入り込んでいた

雨降り文風の安南染付茶碗。
見込みにも雨雫が落ちて、水たまりが出来ているようです。



見立ての茶碗として、長く使い込まれた様子で、よい艶が生じています。



2月終わりから3月初旬にかけて降る雨を、まわりの音から離れてみて、ただ聞いているのは子どもの頃からの癖のようで、心の落ち着く時間です。


安南染付雨降り文茶碗 14cm径 5.8cm高 傷なし
売約済み








かすれた見込みからは、頻度が高く日々使い込まれたことが知れるものの、欠けやニュウは無く、大切にされていた食器と想像しました。



明治頃の珉平焼か、もしくは京焼の類いかもしれません。

正午すぎは三月中旬並みの陽気。あかるい黄の花でも取り合わせてみたくなる日でした。


黄釉輪花豆皿 8.5cm径
売約済み








江戸後期頃の白磁輪花皿。
縁には修繕の白い跡が残ります。

薄手で品の良い造り。
日常使いには少し緊張する薄さですが、傷があると思うと少し気が楽になるでしょうか。
揃えて並べても美しい白磁皿だと思います。



白磁輪花皿 江戸後期 有田周辺 13.5cm径
売約済み








探していた寸法で、簡素ながら仕事も丁寧な古棚と出会え、今朝は什器の入れ替えを行いました。

木材は高級ではないものの、すべての線の面を取り、釘を使わず組み立てられています。

聞くところによると、前所有者の研究物を納めた書架だったそうです。
研究者への依頼に真剣に応えた、素朴で美しい棚にシェーカー家具の精神性と響き合うものをみた気がします。
職人の仕事に、誠実さとセンスを感じました。


すっきりとして、物も心地好さそうに居る気がしてきます。



無地刷毛目鉢、刷毛目鉢、陶胎染付猪口、御深井釉七寸襞皿









把手にケガをしていたようで、その修復をした古い共直しが壊れかけていたフランスの色絵注器。

淡い花の色絵がとても美しかったので、日本で再度、直しを施すつもりで購入して共直しを剥がしてみると、下から土台の針金が出てきました。



ヨーロッパの古陶磁には、独特な鎹なおしや、針金でぐるぐるに修復をしたものを見ることが時折あります。

この針金も内側までがっちり捻じ込まれており、取り除くことも困難です。
切ってしまうのは簡単ですが、異国の一つの古い直し方として観るのもいいかもしれないと思えてきて、今はそのままにしています。


色絵草花文ピシェ フランス18世紀
売約済み









フランス北西部、カンペール焼と思われるエッグカップ。
スポンジウェアで文様を施し、鶏はエナメル彩で描かれています。

19世紀に入り、一種の量産技法として生みだされたスポンジウェアも、その独特の淡い絵柄がもたらす景色が人気を博してコレクターも英国には多くいるようです。
スポンジウェアの良品が多く見つかる英国は、思えばフランス北西部のカンペールから、産地として距離が近いことに気が付きました。

技術や作風にも互いに往き来があったのかもしれない、と想像しました。




この卵を置くための白釉陶器は、同種が幕末頃に舶載され、当時は茶道具の蓋置にも利用されたそうです。その時の、そんな柔軟な見立てはやはり面白いなと思います。

これはエッグカップとして向こうで長く使われてきたものですが、今後の使い途を考えるのも楽しそうです。




漏れは無いですがニュウが3本と、高台に欠けがあります。



色絵卵置 フランス19世紀 H6.5cm










18世紀初頭にオランダからフランスへ陶工が移り住み、ストラスブールやルーアン、マルセイユなど…
各地でファイアンスの中心的な工房が生まれたと同時に、地方でも小規模な陶器工場は沢山誕生したと思います。




この昆虫と花の絵付け皿も、フランスでは多く制作された一つの人気モチーフだったみたいです。

この絵からは、都会的な洗練さとは離れた、地方の窯のゆったりとした時間を感じさせます。

縁はホロホロと欠けて、土も見えてますが、でもまあそれもいいかなと、思えてしまう緩やかな絵と馴染んでいる姿を見ています。


色絵花昆虫文皿 フランス18世紀 22,5cm径 4cm高
売約済み









ここ醸造会館と同時代頃に制作されたフロアランプです。

轆轤で挽いた木製支柱と鉄製の灯具受けに、シェードはこの時代に量産された手吹きの乳白ガラスで、三種の素材が組み合わせられています。



大正から昭和初期の擬洋風建築の洋間が、思い浮かんできます。

西洋へ憧れた優美な曲線のなかに、日本的な意匠がしっかりと宿っているランプです。

醸造会館に備え付けの天井灯とも呼応して、しっとりと夕暮れに灯ります。


フロアランプ 昭和初期 58cm高








浅い帽子のような形のピューター深鉢。リムに刻まれた無数の装飾線が、280年ほど経過して薄らいで和らぎつつも、利いています。



かつての貴族的なピューターの雰囲気を姿に仄かに残しながら、量産の時代にも入りすこし気楽さも交じり、疲れず傍に置いておけそうな鉢です。



ピューター深鉢 1742年 西欧 21.5cm 4cm











今朝は取材を受けました。
花を飾り、店内の整頓も早くから出来て気持ちのよい休日。

西洋のガラス類を中心に撮影していただき、誌面を見る日が楽しみです。



会寧壺 18世紀末~19世紀初
15cm高さ






hondakeiichiro

Author:hondakeiichiro
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11月の休業日|
22(木)、28(水)、29(木)、30(金)






企画展 2018 |

chikuni exhibition
2018.10.13 sat - 21 sun




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