欧文入りのデルフト皿

藍彩で錫釉肌に描かれた欧文は、欧字の持つ美しさを感じられて、好みのもの。
内容はオランダの格言であり、婚礼式用に焼かれた平皿と思われます。





縁の飾りには東洋写しの残り香。

そこに欧字が乗れば、また得も言われぬ異国感があり、共感するのは日本人もオランダ人もこれは同様なようです。


藍絵欧文デルフト皿 18世紀 22.5cm径 2.5cm高







短脚の型吹きグラス

グラス類はヨーロッパ買付で多く探してきますが、その形状やサイズの種類は、尽きることがなく、いつも新たなものと出会います。



写真のような、ステムは短くずんぐりと、それでいて口縁が薄いのは、安定感があり美味しくも呑めるので日常でよく使っています。
また、箸食の文化とも馴染みやすいのではと思います。
花の蕾のような形には、和洋のお酒どちらでも。


型吹きワイングラス 仏19世紀 6.5cm径 10cm高 容量150ml 売約済み


李朝平盃(小皿) 李朝前期~中期 11cm径 3.6cm高






スペインの水注

横線文が特徴あるマニセス地方の焼物。把手のカーブ、その下に付く尻尾のようなデザインもスペイン陶器の印象です。



この種類は線幅や本数も多様にありますが、すっきりした四線と日本向きなサイズが綺麗なバランスを得ています。







スペインといえばやっぱりサングリアですが、ワインの炭酸割りやハーブ酒など、夏らしい飲物を楽しみたいです。

隣に合わせた捻文猪口はこの季節、渦巻く台風なイメージです。



横線文水注 スペイン19世紀 14.5cm高 550ml
(ニュウと、縁に欠けが数カ所ありますが、水漏れは無く現状にて使用可能です)

捻文蕎麦猪口 江戸 売約済み









四寸から五寸程の適度に深さのある皿は、出番が多く好みであれば枚数も欲しくなるもの。
料理や季節で、その日の服をえらぶように自由に楽しむ。

特に西洋皿で茶菓子が乗せられるほどの銘々皿サイズは、数が少なくヨーロッパで気に入るのと出会えた際は買付してきます。

ここに並べたのは瀬戸美濃、阿蘭陀、李朝、くらわんか、古染付ほか、国も時代もいろいろ。
店頭には、この寸法のお皿はなるべく各種揃えておきたいと思うようになりました。
自分と合う好みのものを探してみてください。

上から右順に

・白南京皿 五客
・古染付橋図皿 三客
・李朝深皿 売約済み
・くらわんか格子文皿 売約済み
・李朝堅手皿
・太白焼草文皿二客 売約済み
・瀬戸皿
・黄瀬戸菊皿 二客
・フランス緑釉皿
・デルフト色絵草花文皿 売約済み







扇の絵と扇をかたどったもの。
そよ風ほどでも想いつつ涼を納れそうです。

御深井釉の水滴には呉須がにじみ、水中をくぐって扇流しから流れついた扇のよう。



古伊万里赤絵豆皿 17世紀後半~18世紀前半 7cm 1.6cm
売約済み




御深井釉扇形水滴 江戸前期 7cm幅 4.5cm縦 2cm高







くらわんかに倣って瀬戸美濃で焼かれた炻器染付の太白焼です。

皿や鉢は4寸が多く、久々の7寸皿。波紋をつくる帆かけ舟一艘、唐草の筆のはやさも涼やか。



くらわんかの頑丈さには劣るものの、薄手で軽い炻器ゆえのメリットもあります。
日常の食卓に、気兼ねなく使ってみてほしい粗製の古陶です。


美濃太白草花文七寸皿 江戸後期 20.5cm径 4.8cm高

売約済み








ブリキ直しのピシェ

ブリキを巧みに回し曲げて溶接して、折れて失われた把手を、別素材で蘇らせています。

針金やブリキを用いた焼物直しの職人が古くはフランスにもいたようです。



そしてこれは姿の面白さについ目が行きますが、単なるオブジェではなく、立派に現在も実用可能です。
国が違えば修繕の文化も多様に。



漆も使っていませんが、これも美しい繕いだと思います。
たっぷりと氷を入れて、サングリアが飲みたくなります。

内に白釉、外側には赤茶を帯びた黒釉掛けのフランス製の軟陶キュノワール。
強く出てしっとりとした艶のある黒釉。
胴のくびれや脚部の造りに、フランス的な装飾美が潜みます。


キュノワール水注 ブリキ直し
19世紀 16.5cm 容量700ml
売約済み








海をぷかぷか漂いほほえむクジラ。
17世紀の大海原はとても美しかったでしょう。
知らぬ間にも海洋汚染に加担している我を恥じて、ノープラで減らす努力を少しずつでも。

7月になりました。


デルフト鯨図タイル 17世紀中頃 12.5cm
売約済み
Dutch Delft tile in blue with a whale,17th century.






型吹きグラスと仏製型押しグラス


左は明治大正頃の型吹きコップ。

古い型吹きの溶けゆく氷のような特有の軟らかさ。大ぶりでビールが美味しそうです。





右はフランス19世紀プレスガラス(型押し)のグラス。このタイプの型押しはジャム用ポットに数多くありますが、グラスもある事を前回の買付中に知りました。



バリやへっつきは日本の剣先とも同じですが、スッとした筒形と底の処理は、ヨーロッパ的な気がします。


型吹きグラス 左 明治-大正頃(250ml)
型押しグラス 右 フランス19世紀(150ml)

共に売約済み







デルフトの色絵皿

景徳鎮や有田に倣って山水図を描いていますが、深山幽谷とは対極にあるような、あかるくのどかな風景。



デルフトも窯と陶工により、出来栄えはピンからキリまであるのだと、最近よく考えていました。

ふわふわとした遠近感の拙い絵。




不完全なものに味わいや愛おしさを感じられるのは日本人が持って生まれた気質であり、このすこしよろめいた絵皿もやさしい器として捉えて観たいものです。


デルフト色絵楼閣山水図皿 18世紀 23cm
(縁には欠けがありますが、直しやニュウは無く、指で弾くと高く鳴り響きます。)
Delft polychrome plate with chinoiserie,18th century.











フランスの特大の木製ペーパーナイフ。

長さは78センチ。

印刷所で用いた業務用だったのか、飾りのないシンプルな姿は民族の祭器や、神事の奉納剣のようでもあります。



昔は現代の製本と違って綴じられた頁や紙類をカットすることも多かったでしょう。
これで実際に新聞紙をカットしてみたら、案外と使いやすかったです。



ナイフの輪郭はぼんやり丸くなりながらも、軽くて握りやすく、刃先に向かうほど薄く鋭くなっているのが今も判ります。



使い込まれて艶のでた用途に純粋な道具はやっぱり美しいと思います。



木製ペーパーナイフ フランス19世紀 78cm長









ローマングラス。

すずしい青緑色。口欠けながら水は漏れず、古代を想えます。



天の河のように流れる小さな気泡も夏らしく。
内側には土が残り、外の銀化被膜との重なりは味わいともいえる景色をつくっています。

花は、春に店先に蒔いた種がでてきたもの。
よつばの葉を発見をしました。


古代ガラス小壺 6.7cm高









灰白色の山茶碗。


東濃系と思われる薄手な器壁で無釉、景色には乏しい静かなもの。





でもその白さで、片口碗らしきかたちは際立って見えます。これだけ古い片口型から、すぅっと注げて水の切れるのも、不思議なこと。

器を傾けつつ、中世の暮らしぶりを想ってしまいます。


山茶碗片口 鎌倉時代 15cm径 6cm高
売約済み








白釉に藍絵で格子文の大皿。

くらわんかや染付磁器を憶いだす、あまりヨーロッパ陶器で見ない平面的な図柄の気がします。




でも大胆でゆるやかに抜けた感じはやっぱりラテン的です。


藍絵格子文大皿 30.5cm スペイン或いは南仏
1800年前後








ヨーロッパ紋章旗。

色褪せて中央に縞が浮かび、木版の藍の複十字はにじんで和柄のようです。



やけた木綿の風合い、日本の古布も想わせます。



紋章旗 フランス1900年前後 183cm長さ

売約済み





初日の展示風景より

青花の会骨董祭が無事終了しました。
ご来場の皆さま、誠にありがとうございました。

無謀にも小さなテーマを掲げて臨みましたが、お越しいただいたお客様や常連さま、先輩からの温かいエールがあり、挫けずに終えることができ感謝しています。

受け継ぐことがすべて。
想いを秘めて、また自分なりのやり方を模索していこう。

ありがとうございました!










交差する憧憬というテーマで出品のご紹介を続けざまに行ってきましたが、ご覧いただいて感謝しております。

最後にご紹介するのは、交差ではなく、僕の中世織物へのストレートな憧憬、16世紀に南ネーデルラントで織られたタピスリー(綴れ織り)です。

白い雲の浮かぶ、オリュンポス山に住む神々を主題としたギリシャ神話の一場面です。

淡いブルーを基調に羊毛と絹で織られ、この時代の中世タピスリーの限られた色数のなかで表現されています。



ほつれや破れもあり良好とは言えない状態ですが、一枚の織物で、主題は三叉槍を握るポセイドンを中心としたイメージのしやすい一場面です。

左には孔雀のかわいい顔やしっぽ、ニッコリとして撫でているのは女神ヘラだと思われます。

タピスリーが装飾性と絵画的な意味を色濃くする前。
工芸とも絵画とも括れない、曖昧だけど気高い姿の織り物は未分化な存在のようで、強く心ひかれます。


ゴブラン織布(タピスリー)
ギリシャ神話の一場面 16世紀 南ネーデルラント 57cm×47cm

売約済み







ヨーロッパ更紗やインド更紗各種

古典的で華やかなヨーロッパ、というような絵柄でありながら、和と調和する渋いものを今回の買付では選んでみようと思いました。

トワルドゥジュイの木版多色はとても美しいですが、古い銅版単色のきめ細かな技法や色合いにも驚きます。

ヨーロッパの景色や神話に建築、大胆な図案の中にも探していると素朴で美しいものがあります。
風呂敷や包み裂にも、部分で上手く組み合わせたら粋なものです。

枚数は少なく、ハギレも含みますが、ヨーロッパ更紗やインド更紗に和更紗なども交差する憧憬とあわせ、青花の会骨董祭に出品いたします。

売約済み

青花の会骨董祭 2019

6月7日(金) 17-20時 (内覧会)
6月8日(土) 11-19時
6月9日(日) 11-17時





錫釉陶器の菓子皿サイズ。先月フランスで見つけました。

これは食器ではなく、壁面にかけた絵画的な飾り皿だったものです。

かつてヨーロッパの文化では、基本的に小皿類は食卓に並べていなかったのでしょう。
だから枚数も少なく貴重です。そこで好みの柄となれば、更に出会いは限られてきます。

寸法と絵柄や色、日本人の感性に合うもの。

盆や更紗文の猪口を置いても、自然と和の風景に溶け込みます。
交差する憧憬とあわせて、青花の会骨董祭に出品いたします。


色絵八角輪花菓子器 フランス18世紀 18.5cm径
更紗文様猪口 明治


共に売約済み

青花の会骨董祭 2019

6月7日(金) 17-20時 (内覧会)
6月8日(土) 11-19時
6月9日(日) 11-17時








「枢機卿の帽子」とも称される、ピューター製の幅広いリムをもつ大皿です。

南フランスのアルビ、或いはロデズという街の大聖堂の改修により見つかったもので、時代判定の難しいピューターですが、この皿は工房印(pienc bucalene)により1608年から1600年前半ということが判っています。




表面はまったくの無刻印、時間と傷の痕跡が作りあげる景色。




教皇や僧の帽子と云われるだけあって、静かで深い湖のように、品格や宗教的な落ち着きすら放っている気がしてきます。



ピューター大皿 南フランス 17世紀前半
37cm径


青花の会骨董祭 2019

6月7日(金) 17-20時 (内覧会)
6月8日(土) 11-19時
6月9日(日) 10-17時




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Author:hondakeiichiro
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11月の休業日|
22(木)、28(水)、29(木)、30(金)






企画展 2018 |

chikuni exhibition
2018.10.13 sat - 21 sun




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keiichirouhonda@gmail.com