フランスにて買付中。6日目の朝。
特に変わったこともなく、健康に仕入れも専念できています。

写真はドイツ或いはオランダの15~16世紀森林ガラスのビーカーコップを写した19世紀頃のグラス。
滑りどめの帯線や底上げの意匠は中世の雰囲気を受け継ぎながら、すっきりとした薄造りの筒形は現代風。
本歌の森林ガラスは勿論美しいものですが、このグラスは日常使いできるのが嬉しいところ。食卓に馴染んでくれそうです。



フランスの街はもう秋の気配ですが、ここ数日の最高気温は28度と暑いほど。
夜風にあたりベランダでの夕食の時間も、もう少しの間は楽しめそうです。
この茶色を帯びた、秋色のグラスで呑む冷たい一杯も。


森林ガラス写しビーカーコップ フランス19世紀 全て無傷






秋の買付により9/12~10/5まで休業いたします。またも1ヶ月近くのお休みとなり、ご迷惑をお掛けしますが何卒よろしくお願いします。
買付中も向こうから、更新できればと思っています。


この美しくも不可思議な、幾何模様の皿。
何処の何かも分からないまま、驚きと好奇心に導かれて北フランスで入手したものです。



仕入れ場所と色味や意匠から、アルザス周辺の窯かな?とばかり考えていましたが、どうやら全く別物だったと次第に判ってきました。



おそらくスイス・マジョリカと呼ばれるスイス生まれの民芸陶器。

虹色を呈した鉛釉の黒茶地に、鮮やかな草花などのスリップ手法が一つの特色で、この青い花は、アルプス高原に咲くエンチアンという高山植物と思われます。

スイスの国花、エーデルワイスなどをあしらい伝統的で華美な装飾が多いようですが、この放射状に広がる不思議な幾何文はそれとは異なる渋みを感じました。

秀逸なデザインの連鎖文は、くどさを通り越して、抜けた心地よさがあります。



まだ訪ねたことのない国ですが、見慣れなかったスイスの古陶磁にも面白いものがありそうです。


スイスマジョリカ色絵皿 18-19世紀 30cm径×1,8cm高
商談中

※釉薬の剥がれが数カ所見られますが、欠け、ニュウ、直しは無く全体的に良好な状態です









台風による影響で数日間の臨時休業をいただきましたが、本日より営業再開しました。

猛烈な雨風で傷んでしまった屋根瓦と木枠窓ガラスの完全な修復にはまだ時間がかかりそうですが、ひとまずフランスへ行く前に、応急処置を終えて安心しました。

醸造会館は赤い屋根。
土ぶきに三河産の塩焼瓦を敷いた瓦屋根。

昭和初期に流行してこんな洋風建築や洋館にはよく使われたそうです。
現在はほぼ生産されていないようですが、耐久性高く、風雪も耐え凌ぐ優れた瓦。

遠くからみても、赤い屋根のやわらかな色合いは綺麗です。丁寧に直して、この風景をすこしでも長く残していければ、と思います。



早朝から雨の中、命がけで修復を施してくれた職人の方に、頭が下がります。終えてすぐ次の現場へ








製品として出荷されるか否か。

「脈理」と呼ばれる、沢山の筋状の線が、このボトル全面をおおっています。
組成の異なるガラス異物が入り生まれた一種の欠陥。
ここまでの脈理は、当然はじかれても仕方なかったほどのレベルかと思います。だれかが魅力を感じて救ってくれたのか分かりませんが、今日まで無事残ってくれました。







以前、春先にこのような「脈理」のある古ガラス徳利を店で選んでくれた方が、その筋状の線を"梅の花と枝"に見立ててくれたことがありました。そうか、そんな見方も、ありなんだ、、と感心した憶えがあります。
この角瓶は、酒類をたっぷりと注いだフランスの酒瓶。ゆらゆらと波紋のように流れる筋を眺めて呑みながら、何かの景色を思い浮かべたでしょうか。



欧州の水質により付着した長年のカルキによる水垢、なかなか取り除くことが困難です。光の角度によっては、透明にも写りますが、実際はこのように完全に乾くと白くなります。水を容れた状態ですと透明に見えます。



ガラス角瓶 フランス19世紀 25cm高
売約済み











羊皮紙のグレゴリオ聖歌ネウマ譜。
旋律的な朗読、一種の古い朗読のなごり、中世より音と詩篇が記譜された古い譜面です。



装飾文字は紫色の草紋様。



日灼けした黄ばみと、シワシワ具合に惹かれて額装されたままパリで仕入れたもの。朱色の出たフランスらしい金の額椽に、色の褪せた青緑の台紙の取り合わせも、悪くなかったかなぁと、今は思ってます。

裏側に丸フックがあり、このまま壁に掛けることが可能です。


グレゴリオ聖歌ネウマ譜 フランス 16~17世紀
59cm高×44,5cm幅×1,8cm厚 (額縁)
売約済み










すらりとした六角の白磁。一見は端正な形でも、ゆらぎやよろけた感触も含んだ素朴で柔らかな白磁向付。六角形という結界のごとく、凛として澄んだかたちに憧れます。

たとえば、食卓でも、丸い皿ばかりの中に、角皿や多角形の食器を置いて、引き締まった景色は見た目にも楽しくなり美味しい気がします。









この白磁は、有田か瀬戸か他の地方産かも不明ですが、土質や肌から多分、幕末明治頃の作りかと思います。薄造りで、指で弾くとガラスに近い音。


白磁六角向付 幕末明治頃 無傷 5,6cm高 7,2cm径(辺から辺) 8,5cm(点から点)
※一箇所の窯傷があります
売約済み














前方後円墳のような形をした鍵穴型の薄い鉄の板。円と方形と直線を合わせた、これは何に使ったものでしょう。




まっすぐ上へ伸びた柄の箇所をよく見ると、細かい横線や点刻の装飾。まるでネックに打たれたフレットとポジションマークを意味しているようで、変形ギターにも捉えれて面白い。



細かな文様を刻んだ簡素なかたちは、古代や中世の装身具を思わす不思議な佇まい。

何に使ったものだったのか、
その正体は調理道具で、鉄箆や切る道具とのこと。

果たして、食することへの祈りや厳しい念を込めて作られたか、そこまでは分からないけど、子どもの描いたように自由な文様と原始的な形は、親しみやすくもあり、眺めているとなぜか安心する形だったりもする。もし、これを日本の食卓に置いて一番活躍させるなら、やっぱりお好み焼きが似合いそうです。


鉄箆 フランス18世紀 23,5cm長 売約済み









早朝に仕入れへ出掛けようと、目覚めると湿度は低く、ひんやりとした空気。ちょっとヨーロッパに居るような気分。秋は近くなり、熱い珈琲も更に美味しい。



絵唐津の大きなかけら。葦の草が、幽玄に秋の風に揺れているような。団子やおつまみ乗せて、お月見の似合いそうなかけらです。


絵唐津大皿陶片 桃山 19,5cm 売約済み







お盆中も通常営業しています。
旅行や帰省がてら、お立ち寄るくださる方々。この猛暑の中、とても有難いことです。
年に一度しか会わなくても、その時に話した内容や出来事を、不思議とよく憶えていたりします。



弥生土器小壺 9cm高 9cm幅
南仏色絵双耳鉢 18~19世紀 10,5cm径 18,5cm幅

棚に置いた南仏色絵鉢は、小振りなスーピエール(スープ用取り分け小鉢)。

使い込まれた肌合い、双耳もしっかり付けてぽってり丸々と、変わったフォルム。花器やその他道具、見立てると面白く使えそうです。

この数日で暑さも少し和らぎ、秋の気配ある器や道具にも、段々と意識がむかっていきます。


手付時代菜籠 37cm幅 30cm高 売約済み










例年は二週間近い夏季休暇をいただきますが、今年の八月はほぼ木金定休のみです。というのも、9月早々より欧州買付の予定で、また丸1ヶ月ほど店舗を休業いたします。
あまり長く休んでばかりもいられないと思い、、8月は通常営業します。

出掛けるのも躊躇う酷暑ですが、夏休みや休暇のタイミングに合いましたらぜひお立ち寄りください。

昨日昼過ぎに近所の商店街では、暑さに耐え兼ねてか、、山から猿が下りてきて出没する騒動。異常気象に動植物も危うさを伝えている現実。夏の暮らしや生き方を、考えてしまいます。

そして今日はまだ涼しい内に、早朝より仕事へ。朝の店内にて。



古伊万里白磁蕎麦猪口


果物収穫用把手付籠 フランス20世紀前後


黒釉林檎酒保存瓶 ノルマンディー地方18~19世紀







ワインの為の小机



フランスのワインテーブル。
お酒やお茶を何処でも気軽に楽しめる、片手でも軽く持ち運べる位の簡素な小机。
脚部を含めた全体の装飾は控えめ、若干歪んでしまった天板も味に思えます。夕涼みがてら庭やベランダで一杯、そんな時間も良さそうです。













扁壺のガラス瓶と一緒に乗せた阿蘭陀茶杯は、幾分小さめな愛らしいもの。





そのエキゾチックで細かな絵柄の中にも、正装した紳士と淑女がこのワインテーブルのような小型机を使い、庭でお茶をしている風景が描かれています。
昼下がりに向かい合い、尽きない話を延々と繰り返しているような、気がします。


ワインテーブル フランス1900年前後 50cm高 27,5cm径 売約済み
扁壺型紋章ガラス瓶 フランス18世紀頃 12,3cm高
阿蘭陀茶杯 19世紀頃 5,8cm径 3,3cm高 売約済み







硝子瓢形根付




黄色い虫の羽根風の色硝子を閉じ込め、水に満たされているような硝子根付。浴衣や夏の和装に帯からさがて歩けば、さりげない涼やかさを与えてくれそうな、おしゃれ道具です。


薄瑠璃色古硝子瓢形根付 江戸後期~明治頃
売約済み







瀬戸白磁輪花向付



瀬戸産の白磁輪花向付。
薄造りの乳白ガラスのような印象。
夏用の煎茶杯などにも使えそうです。

十客が木箱に納まり、未使用で出てきました。

まだ味わいは無い若い白磁ですが、底は若干に分厚く手取り程よく、繊細な輪花縁や器形も良い仕事だと思います。






瀬戸白磁輪花向付 明治~大正 8,5cm径 2,7cm高 程 売約済み







西欧木彫天使像頭部 18世紀頃
弥生土器 共に売約済み

西欧の木彫天使像頭部と弥生土器。
木彫はフランス中央部で出会ったもの。

修道院の祭壇などに飾られていた、18世紀頃のフランス或いはスペインあたりの産まれだろうか。おそらく、背後や横に羽の装飾などがあり、胴体のない顔のみで完結していた彫刻。

微笑は、悲しんでいるようで、喜んでいるような…
喜怒哀楽を密かにする天使の素性を思わす、静かな顔だち。

弥生土器は矢作川の川揚がり。
長い年月洗われて肌合いは、白に近くなり、形のよさが浮き立つ。

静かな微笑と、白く晒された土器。
夏の朝、ふと共に共鳴する涼しさがあったような。








琺瑯八角皿



ガラス質の釉薬は厚めに掛けられ、錫釉のようにしっとりとした質感。
縁は切れるほどに細く鋭く処理された古手の琺瑯八角皿。

縁部の青い塗りは消えかけて、露出した鉄は錆色に変化しています。

白い金属は冷たく涼しい。
夏向きのティートレーや盆に合いそうです。


琺瑯隅切長皿 フランス19世紀 29.5cm×19.5cm
売約済み







フランスの木製砥石入れ



腰にさげ砥石を入れた道具。一本の木を刳り貫き、ゆるやかな曲線に仕上げた角のかたち。飾りの無い自然にならった形に、道端の草花も、つたう水滴も調和している気がします。真横からみる姿は木靴や、民族楽器のようです。






木製砥石入れ フランス19世紀








北フランスの田舎町、まだ夜明け前の蚤の市で見つけた一枚の皿。暗やみで埃もあって、最初はこの傷が絵柄にみえた。無限の線刻は、ここで意思を持って止められたように丸の中でおさまっている。


フランス19世紀初頭頃 売約済み







聖アンナと聖母子 刺繍画



買付の途中で、一部分を載せた中世の刺繍画。
額装が無事に済み、何とか、青花へと間に合うよう整いました。

おとといからwebのトップでも全貌を公開いたしました。
併せてトップの8品も青花出品のものへと入れ換えを行いましたので、どうぞご覧ください。


再度、刺繍の詳細について

16世紀頃、リヨン(パリ近郊)で作られた「聖アンナと聖母子」の三者が並んだ場面。

ほんとうに、気の遠くなるような細緻な刺繍の手仕事。

10色を超える髪の毛ほどの絹糸を用い、箇所により縫い方と技法を変えながら、布の揺れ、髪の流れや束なり、眼のうごき、柔らかにほほ笑む口元までを緻密に現す。

全貌を見ると、裂(断片)ではなく、縁で完結しており、ひとつの枠の中におさまる宗教画として、教会の依頼品や城内に飾られたものだったのではと考えられます。

この刺繍を最初に見たのは、薄暗い部屋の中。その暗がりでも、マリアの浮きたつ静かな微笑に鳥肌が立ち、感動を憶えました。

中世の幻想的なタピスリーや刺繍裂。
美術館で綺麗だなぁと、羨ましく眺めるばかりで、まさか裂でもない完成した一枚に出会えるとは、想像もしませんでした。

しかし、たまたま、自分のもとに訪れただけで、この中世の刺繍画は、大勢の方の心に響く純粋な力を持っていると信じています。

今回の買付、この刺繍と会うために行ったようなもの、とさえ思ったほど。

ひとつの工芸品の力による、大きな揺さぶりが、まだ自分の中で続いています。




「聖アンナと聖母子 刺繍画」 1500年代~1600年代初頭 リヨン或いはパリ近郊 44,5cm×25,0cm
額86,0cm×58,0cm


青花の会 | 骨董祭2018

6月8日(金)17時−20時 (内覧会)
6月9日(土)11時−19時
6月10日(日)11時−17時




スリップ片口鉢と小皿


スリップ片口中鉢

フランス南西部の伝統豆料理「カスレ」を調理して盛りつけた焼きもの。

本来はもっと深さのある大鉢で作られることが多く、この器は一人前ほどの大きさの珍しいサイズ。



加えて抽象的な文様のスリップ技法が施されているのは、稀なことだと思います。
このサイズ感のスリップ、普段使いに出番多く楽しめそうです。





こちらは先日紹介したスリップ盃の小皿版。
おそらく、ままごと用の小品です。
何気ないもの。でも、おもちゃではなく、食器とおなじく丁寧に焼かれた実用性ある器。奥深いと思います。
青花の会にて


スリップ片口中鉢 フランス19世紀 16,5cm径 10,5cm高 売約済み
スリップ小皿 フランス20世紀初頃 7,3cm径 売約済み


青花の会 | 骨董祭2018

6月8日(金)17時−20時 (内覧会)
6月9日(土)11時−19時
6月10日(日)11時−17時



フランスの硝子酒器



金彩の唐草文でイニシャルを焼きつけた、小さな面取タンブラー。200年ほど前の仏ガラス酒器。

金彩は絢爛な装飾も多いなか、このグラスは金を縁に巻いて、中央に文字を置いたのみ。



裏と側面をすべて面取し、その後の研磨の手仕事からも、贅沢な代物であったことが知れますが、同時に素朴で静かな気品を感じさせるのは、当時の注文主のセンスを残しているからかもしれません。

角瓶も同様な仕上げによるバカラ製。偏平な栓にも細やかなカットを施しています。

角瓶とタンブラー。揃いでも楽しい、カットの仕事が冴えるガラスです。

青花の会骨董祭へ出品します。



金彩面取グラス H6cm W 6.8cm 売約済み
金彩ガラス角瓶 H17.5cm
フランス18世紀末-19世紀初頃


青花の会 | 骨董祭2018

6月8日(金)17時−20時 (内覧会)
6月9日(土)11時−19時
6月10日(日)11時−17時



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8月の休業日|
9(木)、10(金)、16(木)、17(金)、23(木)、24(金)、30(木)、31(金)








企画展 2018 |

chikuni exhibition
2018.10.13 sat - 21 sun




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