“ものがたりの西洋工芸”

刺繍やタピスリーに織りこまれた神話や宗教、複層なる物語。奇異で人智を越えたロマネスクの柱頭彫刻は、それ以前の柱頭の歴史に無かった“物語”を彫り込み表していきました。

思えば、そんな西洋の“物語性”には、子どもの頃から長らく惹かれてきたような気がします。
カケラだったり、小さなもの、品数も多くはありませんが西洋の中世から近世にかけて、物語に満ちた工芸品をあつめてみました。
偏った個人的な想い入れの品々ですが、受けとる側それぞれの、“ものがたり”を夢想できる空隙があればと願っています。

来たる12/7,8ギャラリーFUUROにて開催されるA&B目白に於いて、そんな内容の企画展で臨みたいと思います。



早速、“ものがたりの西洋工芸”から一番最初に紹介するのは中世の石彫刻。

ノルマンディー地域圏、古都ルーアンの聖堂石彫刻の一部分です。ノルマンディー・ロマネスクからゴシック建築の代表作まで歴史ある街ですが、戦災により消失した修道院建築も限りなくあるでしょう。

この中世遺物が辿ってきた道程は知り得ませんが、その過去の歴史も覚えておかねばなりません。



右手部分の石彫。
黄土色の彩色を仄かに遺し、おそらく石灰岩から彫り出しています。成人女性の手ほどの大きさがあり、昔日の姿は台座を含めれば2m近くあったのではと推測できます。

円柱像かタンパン彫刻の残欠であり、預言者がアトリビュート(持物)の巻物を握っているのではないでしょうか。

手の甲や持物には細かな削り模様が施され、後期ロマネスク様式でゴシックへと移る頃のものと思うのですが、薄らいでも黄土に残る彩色はフランス中部の寒村コンクのロマネスクを思い起こしました。往時の色彩を残している中世彫刻は、フランスにも殆どありません。

中世の石彫が色を残した飾りやすい大きさで入手できたことはとても嬉しかったですが、特に手の部分というのは幸福でした。

称賛の念はキリストの右手に宿るとも云われます。
中世石彫に満ちる物語は尽きません。


石彫右手残欠 13世紀 フランス
17.5cm 14.5cm 6.8cm


“ものがたりの西洋工芸”

於 gallery FUURO
antique & brocante 目白

2019年
12月7日(土) 12:00-19:00
12月8日(日) 10:00-17:00
東京都豊島区目白3-13-5






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