
300年以上ぶりという、夏至の日食。
もうはじまったようなので、グラスを掛けて観てみることにします。
さて、この器もまるで夜に浮かぶ月のようです。
工芸青花14号が刊行されました。
今号でも精華抄にご紹介いただき、早速にいろいろとご感想が寄せられ嬉しく感謝しています。
僕のテキストは詳しい説明もなく他愛もないものでしたので… この場を借りてすこし補足をさせてください。
写真の皿は、近寄るまでは銀化した古代ガラスかと思いこんでいました。
中世末期,イギリス領であったフランス南西部のサントンジュ地方では、緑釉陶器を生産してはイギリスへも輸出していたようです。
フランスの城下で出土したこの皿は緑釉と判らないほどに、ほぼ剥落していますが、年月のつくった銀化まじりの肌と造形は無条件に心うたれました。
まだまだ、次回の渡仏のメドも立ちませんが、発掘地にすぐに飛んで行きたくなる、そんな想いにしてくれる美しい皿でした。
誌面では、フチにかかるわずかな釉や裏面に遺された緑釉を確認できます。
ご覧いただければ幸いです。

緑釉皿 フランス/サントンジュ地方 中世末期
売約済み (工芸青花14号掲載)