
白漆酒膳 39cm径
雑感
漆芸というより、形を追求した白い木の器
今回も多数並んだ白漆の木工品。
どうして「白漆」なのでしょう。
まず、白漆は「白」と名がついていますが、実際には真白ではなく、顔料を加えて灰色や黄を帯びたブルーグレーやアイボリーだったりします。塗らずに拭き漆で木の目や節を活かすのもいいですが、はがれやすいという難点や強すぎる節や木の目がくるしくなる場合もあります。
そこでハレの朱や黒でもなく、色の主張をさけた白を重ねると、節(模様)が薄らぎ形そのものが浮かんでくる。白の濃淡や顔料の配合で、木地との相性をさがすと、白は限りない色合いともなるでしょう。そして白を塗り重ねた漆器は耐久性があり強くて軽い、日常の食器に優れています。「白い漆器」である所以は見た目の優先でもなく、必然的に山本さんがより良い生活具の漆器をもとめた結果なのでしょう。
