ヨーロッパの調理道具としての焼物類

緑釉と黄釉の耳付鉢は19世紀の北フランス産、牛乳やスープを暖めたりする鉢兼用の土鍋のような役割だったと思います。
スリップの螺旋模様の皿は、オムレツを調理する際に蓋の代用にもなり、食器としても並べた南フランスの焼物。

それとほぼ同形状の左の無地の皿は、この中では最も時代は古く、オランダ17世紀頃のもの。その頃から同じ用途として使用されていたのか、分からないのですが不思議と中心の窪み方や高台も似通っています。

すべて裏側は無釉で、耐火皿や調理道具として生活の傍で活躍してきた器です。
目白コレクションに出品します。








白丹波とフランスのマグ

共に、表(白)と裏(茶)の二つの顔がある焼物。径21cmの白丹波は、食卓で重宝してくれそうな寸法です。

マグはキュノワール的な意匠を意識した類いか、外は薄茶の釉薬で内部は白釉。轆轤目と指のあとがハッキリと残り、速さを感じつつも不思議に雑ではなく、仕事の確かさがうかがえます。国も異なる2つから共鳴するものを感じました。
目白コレクションにて並べます。



白丹波中鉢 江戸後期頃











須恵器平瓶



あと2日間の営業を終えると、目白の準備に入り、出店、その後に買付のため渡欧。実質店舗は1ヶ月程の長期休業となります。

開店以来それだけ長いお休みは初めてなので不安もありますが、帰国後に控える催事や展示会に向けても、頑張らねばと思っています。


須恵器の平瓶。
丸みを帯びた小振りで緩やかな形です。
何かに似てると思っていたら、香箱座り(ネコの座法)する猫でした。
縁の欠けも猫耳にみえてきたり。

釉はほとんど残っていませんが、硬質な須恵の印象より土色と赤茶混ざりで、一時代古い土器の気配を残しています。
優しい形と色合いです。


須恵器平瓶 高13cm 幅12cm







御深井二種




御深井ふたつ。向付は、枯葉色へたっぷりと厚手に掛かる淡緑の釉薬が輝く江戸前期ごろの御深井。
この大振りなサイズは、各種のお酒から珈琲まで、日々使えて楽しめそうです。

徳利は時代下って幕末ごろ。口縁にぎりぎりに呉須が引かれ、首もとの染み具合はかけわけのような味わいとなってます。容量は一合と少し。来週開催の目白コレクションへ出品します。







御深井輪花向付 江戸前期
御深井徳利 幕末

目白コレクション出品







白磁面取瓶



白磁面取瓶。樹の枝のような亀裂ひと筋。残念ですけど、銀で辿って古いピューターと合わせて。

砥部焼の産地にて仕入れたものですが砥部系の一種か、鞆徳利の類いなのか、この周辺で手にする瀬戸白磁とは異なる雰囲気です。

この形状は、運搬の際に運びやすくしようとした為か、西洋のケースボトル等のガラス角瓶を参考としたものかと思います。
潔い面取りに、細い首元も際立っているようです。目白コレクションにてご覧ください。



白磁面取瓶 幕末-明治
ピューターカップ オランダ18世紀

目白コレクション出品








ピューター水注



200年前の北欧製ピューター水注。
手の平におさまるほどの小さなサイズで、高さ12cmの内容量はぴったり180ml。
抜群の水切れが心地よく、使う楽しみを一層を増してくれるように思います。



ピューター小型水注 スウェーデン 1814年 売約済み










スウェーデンの木皿



スウェーデンの木製大皿。
18世紀~19世紀頃の大振りな木皿。径32cm。縁は細く浅い立ち上がりで面も扁平に近く、トレイや盆にも代用できそうです。中央の焦茶部分が、おそらく最初の色味。

無数の線刻が物語るように、たくさんのパンやその他の食物類をカットしてきたんだろうなと思います。

陶器と異なり、食物が冷めにくい特性の木皿は、時代の体温のようなものも内包している気がします。樹は生き続けるように。




木皿 スウェーデン 18世紀~19世紀 32cm径
目白コレクション出品









デルフト色絵タイル



チョットふくよかな体で緑茂る大地を飛び跳ねているのは、犬でも猫でもなく兎。今も400年前の昔も、可愛いの感覚はあまり変わらないようです。少ーしウチの猫とも似てますね。

思えば1600年代初頭、この時代は動物の存在も今よりもっと人と近く、共生していたのだと改めて感じます。絵が物語る、生けるものへの心が自然と溢れ出ているようです。


デルフト色絵タイル 1600年初頭頃
目白コレクション出品







紫色の江戸ガラス



朝顔手のびいどろ。透過光で眺めると、渦を巻くような紫の濃淡があり、江戸のはかなく高貴な印象を漂わせています。鉛量が多く、弾けば涼しげな音の余韻をのこします。

4月から5月にかけて咲く、まるで藤の花を思わす色彩。図らずも時節と重なる優美な杯が来てくれました、春の目白コレクションにてご覧ください。

目白には、季節を愉しむ"春と初夏の食器や道具を中心として"和洋織り交ぜながら、出展できればと思います。




紫色脚付杯 江戸後期 6.3cm高 5.0cm径
目白コレクション出品










瀬戸の吹墨皿



型紙を置いて墨を吹き付けた瀬戸生まれの吹墨文様皿。多様な絵図を見かける類いのお皿ですが、現代の食卓にも合いそうな感覚の可愛らしい絵を探してみて、3つを並べてみました。

下から翔ける馬の図、中央は春駒(首馬)で遊ぶ児子と歩く鶏の図、上は橘文様の図。

幕末から明治期に多く量産された焼物とはいえども、それぞれの吹墨の加減は違っていたり、数ある図柄から好みを選んで探したりと、幾つかあるとまた面白みの増す器ではないかと思います。

と、この器には裏側にさらっと引かれた輪線文にもまた魅力を感じてしまいます。




瀬戸吹墨皿各種 幕末-明治

10周年の目白コレクション、華やかさをもちつつ、遊び心あるものも忘れずお持ちしたいです。








西欧の額椽



金彩と漆黒塗の二種の額椽。共に18世紀のフランス製或いはイタリアの小額。右手は伝統的な文様を石膏に金彩、剝落もあるものの、溝に溜まる埃さえ同化して金彩を穏やかに見せている気がします。

左の黒は、金彩より更に古い椽でないかと思います。中心に向かって、線が細くなるように彫られた装飾が時の経過でまた線刻の鋭さが増し際立っているようです。

内に飾るべきものが見あたらずとも、囲いを延々と連続し風化しゆく装飾は、観賞に耐えるものと思います。


金彩額椽 西欧 1797年頃(年号刻)
漆黒額椽 フランス 18世紀

共に売約済み







春の目白コレクション開催まで、あと一ヶ月あまり。出品予定の品物も少しづつ紹介いたします。

出品予定の和製トリコロールな取り合わせの三種。

赤絵の瀬戸は傷ありで金直しが数箇所ありますが、見込みも外もびっしり細い線で丹念に引かれ、器形も整った姿です。横から見たときの、内と外の線の重なりが綺麗だなと思いました。

西洋風な香りがする白磁徳利は、正確な産地は不明ですが、容量も一合強のほどよいサイズ感が魅力です。






瀬戸赤絵輪線文盃 幕末頃
矢羽根文豆猪口 江戸中期頃
白磁徳利 幕末-明治

目白コレクション 2018春 出品予定








須恵に乙女椿



先日の新羅(須恵)に続き、須恵蓋杯。
杯と身側で対をなす、蓋もの。
蓋に宝珠形のつまみを備えた、椿を生けた器形のものは、奈良時代に入るもので7世紀~8世紀頃の作と云われています。

合子形(下の画像右脇)のものは、それより時代が上り古く古墳時代にあたり、蓋を受ける溝が作られており、納まりよい姿になっています。

量産に向けて、器形も変化したのかもしれませんが、並べて比較して土質や焼き上がりの違いをみると、まったく別物にも見えます。

柔らかな古墳時代の須恵土器から、輪郭をはっきりと持ち、平安に繋がるような鋭さと厳しさのある造形が見え隠れしているようです。




須恵蓋杯(左) 7世紀-8世紀 18cm径







木瓜と小手鞠



片身替わりのように自然釉の掛かった半身と、無釉のかせた半身。二つの顔。
細密な波状文様と線刻は、リズムを刻んで正確に描ききられています。
薄造りで縁のカーブまで丹念に仕上げた、緊張感のある端正な造形です。

花は木瓜と小手鞠。

自宅の花壇にもある小手鞠は、日当たりが少なめで、遅めながら季節がくると沢山咲きます。
枯れかけてしまったのを、植え替えたのに毎年ずんずんと大きくなる気がします。









広口壺 新羅或いは須恵 売約済み








初期伊万里



今日は五月初旬並みの気温にまで上がった模様。店内の花も揃って急に開きはじめました。ストーブ無しでもよかった一日。

初期伊万里の五寸皿。
風に乗って空を舞う鳥のような鳳凰絵図。
右のほうは、ぐにゃりと撓んで中心が盛り上がっています。
伸びやかで動きのある絵と、歪みの面白さ。


初期伊万里五寸皿






梅と鶯



明日から三月。
外は雨風が強く、春の嵐です。

墨まみれとなり真っ黒だった梅と鶯。
土錆びを取る要領で、カッターを用いて慎重に丹念にこつこつと…。
汚れを取り除いて磨いていくと、隠れていた分厚く溜まった御深井釉の薄緑色の輝き。想像以上に綺麗になり、驚きました。(ビフォアの写真を撮っておけば良かったです)
暗がりから次第に光が差して、春を迎えた感じです。

花弁と翼にちょこんと乗せた滲む鉄釉が効いてます。
和洋の角容器、墨と水入れ。共に春をおもう小品。



御深井梅鶯角水滴 18世紀 売約済み



白釉色絵インク容器 フランス 18世紀









蝋梅



古伊万里白磁鶴首瓶と白釉色絵小碗、ウェブにて2点更新しています。
春を呼び込んでくれるような、純粋な明るさのある花の絵柄と、凛とした姿の白磁瓶を選んでみました。

巧く使い分けが出来ておらず、近頃はブログ中心でしたが、時間の取れる時にはウェブでも丁寧にお伝えできればと思っています。

終わりかけの蝋梅でも、香りは強く、冷たい空気の室内に柔らかに拡がっています。
鎮静,浄化作用があるそうで、場を清めてくれている気がします。
この香木のうっとりするような、微睡みの香りが、春の予兆として安らぐ。





椿



昨日の燈台へ椿をおいて。
砥部白磁盃の中。

外出先から戻ると、名残惜しそうに活けられて。
まだ二月の冷たい花弁







古鉄燭台



野鍛治による古の仕事でしょうか。
鍛造による日本の燭台に、フランス18世紀のキャンドルグラスを置き灯してみました。国を越えて、違和感のない姿でした。












さて、この燭台は一体どのくらい古いのか、、、?
二本の鉄を鍛鉄した明快な造形は、自在の燭台の類よりどこか古様を示す気がして、頼りない勘だけですが、想像するよりも古いのかもと、朽ち錆びた鉄が描く、ゆったりとした線を見つめて考えます。


鉄製燭台 37cm高 売約済み








安永の小箪笥



安政四年歳、1775年銘の小箪笥。
杉か檜材を用いて驚くほど薄くシャープに作られています。
横に持ち手や天板の金具も無く、余分な装飾は一切なし。
江戸期の箪笥でこれまでに扱ってきた中でも、最大限にすっきりした意匠です。

好みの道具を蒐めては引き出しへ詰め込み、上には小壺で季節の花を活けたり。

材木の特性を活かした使いやすさや、極力に無駄を省いた素直なかたち。
江戸期の指物師の仕事は、一つの家具をこえて、まるで小さな建造物のように、空間の中で立っています。

この先いつまでも、付き合えそうな箪笥です。








引き出しの中央に書かれた、段数を示す"い・ろ・は・に"の丁寧な文字と余白にも、埋もれてしっとりした美を観られます。




小箪笥 江戸後期 (1775年安永四年歳墨書)
72cm横幅×42cm高×28cm奥行
売約済み







hondakeiichiro

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6月の休業日|
5(火) 〜 15(金)、21(木)、22(金)、28(木)、29(金)

出店のため6月5日(火)から15日(金)迄,休業します







出展 2018 |

青花の会 | 骨董祭2018

6月8日(金)、9日(土)、10日(日)



お問い合わせ|
keiichirouhonda@gmail.com