灰白色の山茶碗。


東濃系と思われる薄手な器壁で無釉、景色には乏しい静かなもの。





でもその白さで、片口碗らしきかたちは際立って見えます。これだけ古い片口型から、すぅっと注げて水の切れるのも、不思議なこと。

器を傾けつつ、中世の暮らしぶりを想ってしまいます。


山茶碗片口 鎌倉時代 15cm径 6cm高
売約済み








白釉に藍絵で格子文の大皿。

くらわんかや染付磁器を憶いだす、あまりヨーロッパ陶器で見ない平面的な図柄の気がします。




でも大胆でゆるやかに抜けた感じはやっぱりラテン的です。


藍絵格子文大皿 30.5cm スペイン或いは南仏
1800年前後








ヨーロッパ紋章旗。

色褪せて中央に縞が浮かび、木版の藍の複十字はにじんで和柄のようです。



やけた木綿の風合い、日本の古布も想わせます。



紋章旗 フランス1900年前後 183cm長さ

売約済み





初日の展示風景より

青花の会骨董祭が無事終了しました。
ご来場の皆さま、誠にありがとうございました。

無謀にも小さなテーマを掲げて臨みましたが、お越しいただいたお客様や常連さま、先輩からの温かいエールがあり、挫けずに終えることができ感謝しています。

受け継ぐことがすべて。
想いを秘めて、また自分なりのやり方を模索していこう。

ありがとうございました!










交差する憧憬というテーマで出品のご紹介を続けざまに行ってきましたが、ご覧いただいて感謝しております。

最後にご紹介するのは、交差ではなく、僕の中世織物へのストレートな憧憬、16世紀に南ネーデルラントで織られたタピスリー(綴れ織り)です。

白い雲の浮かぶ、オリュンポス山に住む神々を主題としたギリシャ神話の一場面です。

淡いブルーを基調に羊毛と絹で織られ、この時代の中世タピスリーの限られた色数のなかで表現されています。



ほつれや破れもあり良好とは言えない状態ですが、一枚の織物で、主題は三叉槍を握るポセイドンを中心としたイメージのしやすい一場面です。

左には孔雀のかわいい顔やしっぽ、ニッコリとして撫でているのは女神ヘラだと思われます。

タピスリーが装飾性と絵画的な意味を色濃くする前。
工芸とも絵画とも括れない、曖昧だけど気高い姿の織り物は未分化な存在のようで、強く心ひかれます。


ゴブラン織布(タピスリー)
ギリシャ神話の一場面 16世紀 南ネーデルラント 57cm×47cm

売約済み







ヨーロッパ更紗やインド更紗各種

古典的で華やかなヨーロッパ、というような絵柄でありながら、和と調和する渋いものを今回の買付では選んでみようと思いました。

トワルドゥジュイの木版多色はとても美しいですが、古い銅版単色のきめ細かな技法や色合いにも驚きます。

ヨーロッパの景色や神話に建築、大胆な図案の中にも探していると素朴で美しいものがあります。
風呂敷や包み裂にも、部分で上手く組み合わせたら粋なものです。

枚数は少なく、ハギレも含みますが、ヨーロッパ更紗やインド更紗に和更紗なども交差する憧憬とあわせ、青花の会骨董祭に出品いたします。

売約済み

青花の会骨董祭 2019

6月7日(金) 17-20時 (内覧会)
6月8日(土) 11-19時
6月9日(日) 11-17時





錫釉陶器の菓子皿サイズ。先月フランスで見つけました。

これは食器ではなく、壁面にかけた絵画的な飾り皿だったものです。

かつてヨーロッパの文化では、基本的に小皿類は食卓に並べていなかったのでしょう。
だから枚数も少なく貴重です。そこで好みの柄となれば、更に出会いは限られてきます。

寸法と絵柄や色、日本人の感性に合うもの。

盆や更紗文の猪口を置いても、自然と和の風景に溶け込みます。
交差する憧憬とあわせて、青花の会骨董祭に出品いたします。


色絵八角輪花菓子器 フランス18世紀 18.5cm径
更紗文様猪口 明治


共に売約済み

青花の会骨董祭 2019

6月7日(金) 17-20時 (内覧会)
6月8日(土) 11-19時
6月9日(日) 11-17時








「枢機卿の帽子」とも称される、ピューター製の幅広いリムをもつ大皿です。

南フランスのアルビ、或いはロデズという街の大聖堂の改修により見つかったもので、時代判定の難しいピューターですが、この皿は工房印(pienc bucalene)により1608年から1600年前半ということが判っています。




表面はまったくの無刻印、時間と傷の痕跡が作りあげる景色。




教皇や僧の帽子と云われるだけあって、静かで深い湖のように、品格や宗教的な落ち着きすら放っている気がしてきます。



ピューター大皿 南フランス 17世紀前半
37cm径


青花の会骨董祭 2019

6月7日(金) 17-20時 (内覧会)
6月8日(土) 11-19時
6月9日(日) 10-17時






ヨーロッパの暖炉の傍らで用いられた鉄製調理器具には、かつての生活のありさまが、素直に表れているようでいつも気にしているものです。昨年の青花骨董祭にも、何本か出品しました。



一つの鉄を鍛鉄して、優美な捻りやカーブを生みだした肉焼用フォーク。
この装飾的な串を引っ掛ける、専用の鉄製フックも存在しており、工芸青花9号ではそのフックが取り上げられていました。


鉄製肉焼用フォーク フランス18世紀
長さ55cm

売約済み

青花の会骨董祭 2019

6月7日(金) 17-20時 (内覧会)
6月8日(土) 11-19時
6月9日(日) 10-17時









緑青の彩り。
丸い輪が立っているのは、輝いており、遠くからでも見つけられました。

遥かなアフリカの大地の装身具が、
平安美術を彷彿とさせます。

日本の光の中でも美しい。



青銅の腕輪 マリ共和国出土 中世後期 9cm径

売約済み


青花の会骨董祭 2019

6月7日(金) 17-20時 (内覧会)
6月8日(土) 11-19時
6月9日(日) 10-17時







デルフトと京阿蘭陀

錫釉の肌合いに葡萄のような蔓草。東洋趣味とヨーロッパの感性が混在するデルフト皿。




そもそも紅茶用の受け皿だったようですが、江戸期に舶載された類似品は、絵替りで五枚を合わせており、菓子器として伝来したことが知れます。



輪花の京阿蘭陀は、デルフトへの憧憬から生まれたやきもの。

でも、出だしは、逆にデルフト側が東洋磁器に倣って、良質なやきものを目指したもの。
憧れが幾重にも交差して、自分に無いものを得ようとしたり、恋い慕うこと。


尽きぬ憧れの届かなさ、足りなさ、未完成。
永遠にそういう部分は色褪せないと思います。

交差する憧憬に併せて青花の会に出品いたします。


藍絵花卉文小皿 デルフト 17末-18世紀初
京阿蘭陀輪花鉢 江戸後期

共に売約済み

青花の会 骨董祭 2019

6月7日(金) 17-20時 (内覧会)
6月8日(土) 11-19時
6月9日(日) 10-17時








唐草の雅な美濃御深井。

織部文化の後に中国青磁へ憧れ、異ジャンルの工芸品や身近な動植物をモチーフとして、丁寧に写そうとした行為は御深井以前の日本のやきもの界には少なかったようです。




写しとりを繰り返して、それはいつしか独自な和様の美となっていて。
そこに禅の教えを憶い出し、御深井に魅かれていた訳がひとつ実感できた気がします。



御深井唐草文四方小皿 18世紀

売約済み


青花の会 骨董祭 2019

6月7日(金) 17-20時 (内覧会)
6月8日(土) 11-19時
6月9日(日) 10-17時










藍色と白釉のアルバレロ。高さのある筒形の薬壺で、類似品が江戸期に舶載され細水指として伝世しています。

この種は緩やかな形状も多いのですが、ふたつとも肩はくっきりと張りがあり、胴も締まった美しいかたち。傷や修復もなく、水指や花入れに楽しめそうです。



白釉はデルフト(ダッチマヨリカ)、青はカタルーニャ(スペイン)で制作されたもので内側をすべて黄釉で染めて、外側は青地無文。



その色は、地中海の太陽と海。
マヨルカ島の光に満ちた風土が封じ込められているように思えてきます。

青花の会へ出品いたします。



白釉アルバレロ デルフト 17世紀 24cm 10.2cm
藍色アルバレロ カタルーニャ 16世紀末-17世紀 27.5cm 8.5cm

青花の会 骨董祭 2019

6月7日(金) 17-20時 (内覧会)
6月8日(土) 11-19時
6月9日(日) 10-17時







渥美古窯の水瓶。

金属器に倣った形で、元々はスッと立ち上がる頸部を持つ瓶です。大陸の完成された異素材の仏具に対しての、これもある種ひとつの憧憬として今回は捉えてみることにしました。



渥美水瓶 平安末期 17cm高


青花の会 骨董祭 2019

6月7日(金) 17-20時 (内覧会)
6月8日(土) 11-19時
6月9日(日) 10-17時






石畳文タイル

織物の柄に倣ったフランス製タイルで、過去にも瑠璃の転写のタイプをご紹介しましたが、今回は鉄釉を同時に見つけました。

失敗して溶けて流れてしまった市松模様に日本的な趣きを感じて、小テーマとも重なるかなと思いました。青花の会へ出品します。


石畳文タイル三種 フランス19世紀 11cm

売約済み


詳細のお問い合わせ、その他のご質問などお気兼ねなくお寄せください。お待ちしています。


青花の会 骨董祭 2019

6月7日(金) 17-20時 (内覧会)
6月8日(土) 11-19時
6月9日(日) 10-17時









「交差する憧憬」と題して小テーマの出品紹介を続けていますが、この器はヨーロッパ買付で巡り会えた、そのテーマには一番相応しいと思えるものでした。
欧州貴族の注文により、紋章を描いた有田産の磁器です。




オランダの王家と思われる紋章図に対して、慣れない雰囲気を醸しだしながらも…
そこは有田の絵付師の腕前。注文品として入念に仕上げ、やはり精緻に描き上げています。

染付素地に赤と金2色を焼き付けた金蘭手で、おそらく枚数組でヨーロッパへ渡り、離れたうちの一枚と思います。




大皿の紋章皿の存在は知ってはいましたが、こんなサイズの愛らしい紋章皿があるとは、これを手に入れるまで全く知りませんでした。ペガサスと翔ける馬を描いた、可愛らしい紋章図。それは絢爛豪華な輸出伊万里とは、すこし異なる印象です。




輸出向けのヒット商品であった金蘭手ですが、多くは東洋的な風景や草花の図を描いたものです。
器体は日本、文様は西洋憧憬。

それはまさに昨日ご紹介した、瓢形徳利の逆ヴァージョンと言えるかもしれません。

ご覧の通りに、ぶちわれていましたが、幸いにもパーツはすべて残っており、金繕いしております。こんな状態でもあり、果たして、どれほどの価値を秘めたものか、判りません。

ただ、この紋章皿は絵柄もひかえめで愛らしく、里帰りを果たしたことには、何か意味があってもいいと思っています。

そして、このテーマにぴったりのタイミング。繕いもあり、価値や値段はさておき、自分としては気持ちはメインのようにご紹介したいものでもありました。会場でご覧いただけたら嬉しいです。



色絵紋章皿 1700年代前半 肥前有田
10.8cm径 2.7cm高

売約済み


青花の会 骨董祭 2019

6月7日(金) 17-20時 (内覧会)
6月8日(土) 11-19時
6月9日(日) 10-17時










デルフト窯の瓢形徳利。
瓢のかたちは縁起物。古く東洋では好まれた意匠です。そこへデルフト絵付師の色鮮やかなオリエント的な花模様。なぜか懐かしくて優しい。西洋の夢想した東洋へ、ユートピアを見る。



容量は二号ほど。鎬も細かくバランスも整った器形で、片手に掴める好いサイズです。
「交差する憧憬」に併せ青花の会骨董祭へ出品いたします。


デルフト色絵花文瓢形徳利 18世紀
18cm高

売約済み


青花の会 骨董祭 2019

6月7日(金) 17-20時 (内覧会)
6月8日(土) 11-19時
6月9日(日) 10-17時








薔薇をモチーフとした幾何模様のティシュー・コプト裂です。
薔薇の花は、コプト織の生まれたエジプトでも、古代より薬の抽出や効能が認められ、親しまれたそうです。



紅を主とした多色の簡素な花文は、日本古来の紋様や色彩感覚とも、響きあうように思います。
額椽はフランスの古いオークと合わせました。
溝彫りの細かく、重厚で美しい額椽です。青花の会へ出品いたします。


コプト花文裂 5~7世紀 35cm×11cm
(額椽 46.5cm×28.5cm)


青花の会 骨董祭 2019

6月7日(金) 17-20時 (内覧会)
6月8日(土) 11-19時
6月9日(日) 10-17時









青花の会骨董祭にて2日目から出品の「おすすめ品」を紹介します。

デルフト焼のブルーと白釉の柔らかな肌合いの犬置物。この種の置物は、数も多くはなく貴重なもので、ヨーロッパでも評価が高く人気があります。




概ね、脚元には台座を備えてどっしりとしていますが、この2匹には足裏まで釉薬が掛かり、すっきりとした印象の珍しいものです。
ペアで見つかったことは幸運で、2匹で1つというそれが、より一層に愛らしさを増しています。

掌に乗るほど小さく可愛らしく、吹墨の柄もどこか東洋風。自然と親近感が湧いてきます。

犬を愛する人も、デルフト好きな方も、是非2日目からの会場にてご覧になってください。



デルフト藍絵犬置物 オランダ 18世紀
W5.1cm D5.2cm

青花の会 骨董祭 2019

6月7日(金) 17-20時 (内覧会)
6月8日(土) 11-19時
6月9日(日) 10-17時













無地の角徳利は、灰釉系の御深井釉のようにも見えますが、産地は判然としません。
山陽や四国地方の角瓶系なのか、西洋ボトルの影響がある輸出品なのかも判りませんが、この肌合いと形の美しさは、用途は無くとも静かに眺めていられそうです。




隣のお皿は今回フランスから持ち帰ってきた、おそらく西洋向けの灰釉洋皿。

日本で二つが出会って、隣り合わせても、共通する気配がありました。
こちらも今回の小テーマ「交差する憧憬」と併せて青花の会骨董祭へ出品いたします。


無地角徳利 江戸期 21cm高 売約済み
灰釉洋皿 20.5cm径

青花の会 骨董祭 2019

6月7日(金) 17-20時 (内覧会)
6月8日(土) 11-19時
6月9日(日) 10-17時







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11月の休業日|
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企画展 2018 |

chikuni exhibition
2018.10.13 sat - 21 sun




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